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- アルゲリッチの新録音
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2011.05.04 Wednesday
昨年はショパンとシューマンの生誕200年記念したプログラムを中心としたコンサートが数多く開催されました。その中でも私が注目していたのは、マルタ・アルゲリッチが11月から12月にかけてすみだトリフォニーホールでクリスティアン・アルミンク指揮/新日本フィルハーモニー交響楽団のバックで演奏したショパンの第一番とシューマンとラヴェルの協奏曲でした。でも、内田光子とルイサダのコンサートと時期がほぼ重なってしまったため散々迷った挙句アルゲリッチを諦めたのですが、このうちショパンとシューマンがCDとして発売されました。
KAJIMOTO KJ26001(2011.5.3発売 初回限定盤)
マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)
クリスティアン・アルミンク(指揮)
新日本フィルハーモニー交響楽団
2010.11.28(ショパン)、2010.12.1(シューマン)
すみだトリフォニーホールでのライヴ録音
この演奏は元々アルゲリッチの70歳の誕生日(6月5日)を祝うために一般発売する予定で録音されていたものですが、アルゲリッチの意向もあり東日本復興支援チャリティCDとして緊急発売されました。参加したアーチスト全員が録音の印税収入を放棄し、収益を被災者の復興支援のために寄付するとのことです。しかもこのCDは被災地仙台の工場でプレスされています。
私も早速入手して聴いてみました。やっぱりライヴのアルゲリッチは凄い!!
演奏自体は昔と変わらず自由自在にはばたいている感じで生命力に溢れた音楽になっています。緩徐楽章でのピアニッシモの美しさは絶品で心に語りかけてくるような感動的な名演奏だと思います。特にシューマンはアルゲリッチの数ある同曲の録音の中でもベストではないでしょうか。
- おとぎ歌劇「ドンブラコ」
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2010.09.12 Sunday
この作品は題名で察していただけると思いますが、皆様ご存知の「桃太郎」が題材となっています。
昨年の5月に宇野功芳指揮、アンサンブル・フィオレッティによるCDが発売されましたが、直前の3月にアンサンブル・フィオレッティのコンサートに初めて接して合唱の素晴らしさにとても感動したばかりだったこともあり、発売と同時に購入しました。
たまゆら KKCC3023
購入してすぐに聴いてみたのですが、フィオレッティの素晴らしさもさることながら、「ドンブラコ」という作品そのものにすっかりハマッてしまい5回ほど繰り返して聴きました。
演奏時間は50分ほどですが聴いていて本当にとても楽しい作品で、演奏が始まるとすぐに夢中になってしまいそんな時間の長さを感じることが全く無く、あっという間に時間が過ぎてしまいます。
その「ドンブラコ」が下記のとおり東京で演奏されます。これを逃す手はありません。
もちろん私は行く予定にしております。とても楽しみにしております。
日時 2010年9月16日(木) 18:30 開演(18:00 開場)
場所 銀座 ヤマハホール
演奏 宇野功芳(指揮)
アンサンブル・フィオレッティ(合唱)
佐藤和子(ピアノ)
チケット 前売り 3,500円 全席自由
プログラム
(1)「冬の夜」「虫のこえ」「我は海の子」「花」「青葉の笛」
「真白き富士の嶺」「星の界」「庭の千草」「故郷の廃家」「故郷を離るる歌」
(2)対談「ドンブラコ蘇演秘話」 宇野功芳&高本良彦
(3)北村季晴:おとぎ歌劇「ドンブラコ」
この作品についてはtrefoglinefanさんのブログに詳しく紹介されていますので是非ご参照ください。
- 朝比奈隆のブルックナー交響曲第8番の思い出
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2009.12.29 Tuesday
今日は名指揮者 故朝比奈隆さんの命日です。
以前朝比奈さんのコンサートに2回足を運んだことがあり、
その内の一つは「ブルックナー交響曲第9番」を聴いたと書きましたが、
もう一つは「ブルックナー交響曲第8番」を聴きました。
それは1994年7月9日のことで、当時は大阪に住んでいて、
友人と二人で大阪の「ザ・シンフォニーホール」へ足を運びました。
この日は朝比奈さんの86回目の誕生日で、
「朝比奈隆 バースデイ・コンサート」と銘打たれていました。
この時初めて朝比奈さんのナマに接したのですが、
開演前からとても楽しみでワクワクしていたことを覚えています。
演奏ももちろん圧倒的な名演奏で具体的にどうのこうの言えるような次元ではありません。
1時間20分の間、完全に別世界へ連れ去られてしまいました。
終演後は「ブラヴォー!」の嵐で10回ほど舞台に呼び戻されていました。
この頃の演奏としてはこの2週間後の東京サントリーホールでのライヴ録音のCD(キャニオンクラシックス)が名演奏として定評がありますが、1週間ほど前にこの「バースデイ・コンサート」のDVDが発売されました。
東武ランドシステム TBRDVD1002
あの時の思い出のコンサートが映像として発売されてとてもうれしい限りです。
早速入手して観ましたが、あのときの感動が蘇ってきます。
- ベートーヴェン 後期3大ソナタ
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2009.11.15 Sunday
ベートーヴェンの3大ソナタといえば「悲愴」「月光」「熱情」が定番となっていて人気も高いですが、私は作品109、作品110、作品111の後期3大ソナタがアホなくらい大好きで最近よく聴いています。この3曲を組み合わせたCDを見つけると手当たりしだい買ってしまいます。で、これまでに購入した数は正確に数えたことはありませんがざっと60種類(全集を含む)くらいです。また、一人の演奏家が複数回録音しているのがいくつかあるのですがそれを聴き比べるのも中々興味深いです。アシュケナージやブレンデル、ルドルフ・ゼルキンは若いころの演奏のほうが素晴らしいと思いますし、アラウやグルダ、園田高弘は新しい録音の方が素晴らしいと思います。
これだけのCDがあれば玉石混在で、その多くはただ鍵盤を叩きまくっているだけの「残念!」な演奏です。もちろん素晴らしい演奏もたくさんあってリヒテルなど有名演奏家のものはさすがに安定した演奏を聴かせてくれますが、あまり知られていないCDでも心引かれるものがいくつかあり、特に印象に残っているのが3枚(多分全部廃盤)あります。どれも初めて聴いたときは「中々やるじゃん」みたいな感じでした。
●ウラディーミル・フェルツマン ●アブデル・ラーマン・エル・バシャ
●ジョン・リル
ちなみに私のお気に入りベスト5は下記の演奏家のものです。
どれも素晴らしいものばかりですので順位は付けません。
●エリック・ハイドシェック
(作品109は1991年のケンプ追悼演奏会が特に素晴らしいです。pianovox盤は3曲とも素晴らしい!) ※残念ながら両方とも廃盤です。
●ウィルヘルム・バックハウス ●フリードリヒ・グルダ
(1960年代のステレオ盤) (1960年代のamadeo盤)
●ウィルヘルム・ケンプ ●ヴァレリー・アファナシエフ
(1960年代のステレオ盤) (2003年のサントリーホールライヴ)
- 「ベルリンの壁崩壊」と「バーンスタインの第九」
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2009.11.10 Tuesday
昨日、「ベルリンの壁」が崩壊してちょうど20年を迎えました。
当時テレビのニュースでその模様を見たときはとても信じられない気持ちと同時に
ものすごい歴史的な瞬間を見ているのだということを強く感じました。
これによって冷戦が終結に向かい、戦わずして東西ドイツ再統一が実現しましたが、
再統一後も旧東西ドイツの経済格差が解消できていないなどの問題は残っているようです。
壁崩壊直後の1989年12月25日にこの「ベルリンの壁崩壊」を祝って東ベルリンで、
レナード・バーンスタイン指揮によるベートーヴェンの第九の演奏会が行われました。
ドイツグラモフォン 429861-2(輸入盤)
ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調 Op.125『合唱付』
ソプラノ:ジューン・アンダーソン
メゾ・ソプラノ:サラ・ウォーカー
テノール:クラウス・ケーニヒ
バス:ヤン=ヘンドリンク・ローテリング
バイエルン放送合唱団
ベルリン放送合唱団メンバー
ドレスデン・フィルハーモニー児童合唱団
バイエルン放送交響楽団
シュターツカペレ・ドレスデン・メンバー
ニューヨーク・フィルハーモニック・メンバー
ロンドン交響楽団メンバー
レーニングラード・キーロフ劇場管弦楽団メンバー
パリ管弦楽団メンバー
指揮:レナード・バーンスタイン
「自由への賛歌」と題して発売されたCDで、東西ドイツと米英仏ソの混成オーケストラ、
東西ドイツの合唱団、独唱者も東西ドイツと米英の歌手という豪華なメンバーによる演奏です。混成メンバーの演奏でもありアンサンブルの乱れが散見されますが、記念碑的な演奏会の貴重な記録です。また、「Freude(歓喜)」を「Freiheit(自由)」に歌詞を変更して歌っていたりしてとても印象的な演奏です。
ちなみに私が所有しているのは1990年に発売された輸入限定盤で、
「ベルリンの壁の破片」がオマケで付いていました(ジャケット写真の右上のところ)
「ベルリンの壁の破片」はお土産として当時流通していたようですが、
中にはニセモノも含まれていたようです。このオマケの真贋についてはわかりません(笑)
- 田部井剛さん
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2009.10.03 Saturday
田部井剛さんは先月のハイドシェックの藤岡公演でカメラータジオンを指揮した指揮者です。田部井さんはハイドシェックが「ヤング・トスカニーニ」と讃えるほどの才能の持ち主で、
藤岡公演でも見事な指揮ぶりで公演を成功に導いた立役者の一人です。
※藤岡公演の記事中の写真で左側に写っているのが田部井さんです。
舞台上では常に真剣勝負!その指揮姿はとてもカッコイイです。
舞台から降りた普段着の田部井さんは人柄も本当に魅力的でとても気さくでお茶目な方です。田部井さんの実演には何度か足を運んでいて藤岡公演の他今年の7月に接しましたが、その誠実な指揮ぶりに好感を持ち音楽の素晴らしさをたっぷりと堪能しました。
その田部井さんが指揮するコンサートが今月予定されているので紹介します。
●NTTフィルハーモニー管弦楽団 第26回定期演奏会
・日時:2009年10月31日(土)
開演14時00分(開場13時20分)
・場所:ミューザ川崎シンフォニーホール(大ホール)
・指揮:田部井 剛
・演奏:NTTフィルハーモニー管弦楽団
・曲目:
J.ブラームス:交響曲第3番ヘ長調Op.90
P.デュカス:交響詩「魔法使いの弟子」
M.ファリア:バレエ組曲「三角帽子」第1組曲,第2組曲
詳しくはこちらをご覧ください。
なんと!シルクさんが言われるところの「謎のコンサート」の翌日ですね(笑)
ミューザ川崎の大ホールもとても素晴らしい音響ですので、
オーケストラの魅力を存分に味わうことができると思います。
今回もきっと素晴らしい演奏会になることでしょう。
お時間のある方は是非足を運んでいただきたいと思います。
田部井さんのCDもいくつか紹介したいと思います。
まず8月に紹介したハイドシェックとの2005年の日本でのライヴ録音があります。
そして2006年にプラハでスタジオ録音したモーツァルトの交響曲第40番、41番。
スタジオ・フローラ B-2704 2006年11月 プラハ・ドモヴィナスタジオ
【内容】
モーツァルト:交響曲第41番ハ長調K.551「ジュピター」
交響曲第40番ト短調K.550
【演奏】
田部井剛指揮/ターリッヒ室内管弦楽団
※オーケストラの鳴りっぷりが抜群で聴いていて心地いいです。
歌心もあふれていてとても素晴らしいモーツァルトだと思います。
そして田部井さんはピアニストとしてもかなりの腕の持ち主だそうなんですが、
ピアノの演奏も聴いてみたいなぁと思ってCDを探しましたがありませんでした。
が、チェンバロを演奏しているCDを発見したので購入してみました。
ハーモニー HCC-2049 2009年3月24&25日 小出郷文化会館
【内容】
W.ギーガー:・・・そして石だけが残った・・・・
D.ツィポリ:ソナタ イ長調
G.F.ヘンデル:ソナタ イ短調
J−B.ルイエ:ソナタ ニ長調
W.ギーガー:コントラバスとチェンバロのためのラプソディ
【演奏】
白土文雄(コントラバス)
田部井剛(チェンバロ)
※コントラバスとチェンバロという珍しい組み合わせです。
コントラバスの重低音がものすごい迫力です。
それに田部井さんのチェンバロがうまく絡んでいます。
- ヤっちまったダー
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2009.05.24 Sunday昨日連弾版の「ブラームスのワルツ集」を購入した記事を書きました。
で、早速聴いてみたのですが独奏版との違いがまったくわからない。
ライナーノートをよく見ると・・・
なんと!連弾しているのはカップリングされた「ハンガリー舞曲集の第2巻」のみ。
なにをやってんだか(-_-;)
やっぱり厄年は怖い!!(←絶対に違う)
でもこれが怪我の功名というかカッチェンの独奏の素晴らしいこと。
カッチェンは肺癌のため42歳という若さで亡くなっていて、
このワルツ集を録音したのは35歳の時。
知的な感じでとても落ち着いた演奏で、音楽を語るように弾いています。
今まで聴いてきた中で一番良いと思いました。
でもやっぱり連弾版を聴きたくて本日買ったのは・・・
ミシェル・ベロフ&ジャン=フィリップ・コラール
と
デュオ・クロムランク
2種類も買ってしまいました。
これらは正真正銘の連弾版。
これから聴くのが楽しみです(^^)
- メンデルスゾーンイヤー
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2009.05.13 Wednesday最近ヘンデルとハイドンのメモリアルイヤーについて書きましたがもう一人居ました。
フェリックス・メンデルスゾーン(1809.2.3−1847.11.4)の生誕200年であります。
私はメンデルスゾーンの作品は交響曲第3番「スコットランド」、交響曲第4番「イタリア」、
劇音楽「真夏の夜の夢」、序曲「フィンガルの洞窟」、ヴァイオリン協奏曲をよく聴いています。
ピアノ曲では「無言歌集」のいくつかや「ロンド・カプリチオーソ」を聴くくらいです。
でもメンデルスゾーンはこんなにもたくさんの作品を残しており、
メンデルスゾーンについても知らないことだらけだと思い知らされます。
ということでメンデルスゾーンについてはあとはWikiをご参照ください(笑)
メンデルスゾーンの作品の中にはピアノ曲が結構多いのですが、
あのハイドシェックも「厳格な変奏曲」や「復活祭ソナタ」を録音しています。
今年の来日公演ではメンデルスゾーンも聴いてみたいような気もします。
- ハイドンイヤー
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2009.05.10 Sunday先日ヘンデル没後250年ということを書きましたが、今年はフランツ・ヨーゼフ・ハイドン(1732.3.31−1809.5.31)の没後200年でもあります。
私はハイドンの作品は交響曲第45番「告別」、88番「V字」、94番「驚愕」、96番「奇跡」、100番「軍隊」、104番「ロンドン」など名前付きの有名なものしか聴いたことがないですし、あとはピアノ協奏曲(全3曲)やいくつかのピアノソナタを聴くくらいです。
ということでハイドンについてもあとはWikiをご参照ください(笑)
それにしてもハイドンって交響曲を100曲以上、弦楽四重奏曲とピアノソナタを60曲以上と奇跡的な数を残していて思わず驚愕してしまいます。
ハイドンの作品は何となくモーツァルトの作品に似ていてよく混同してしまいますが、
じっくり聴くとハイドン独特の魅力があり聴けば聴くほど惹かれるものばかりです。
とはいっても前述の作品を繰り返し聴いているだけですが・・・
今年は折角のメモリアルイヤーですのでほかの作品も聴いていこうと思っています。
- ペーター・マークの至芸
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2009.05.05 Tuesday今日は完全にオフ。一日中家でゆっくりしていました。
こんな日は大抵音楽を聴きながらアルコールを摂取しているのですが、
今日も例外に漏れずそんな感じで、LPやCDを聴いていました。
その中の1枚にとても感銘を受けました。
fontec FOCD9252
ペーター・マーク指揮/東京都交響楽団
【収録曲】
モーツァルト:交響曲第38番ニ長調K504「プラハ」
メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」作品26
メンデルスゾーン:交響曲第3番イ短調作品56「スコットランド」
1984年、1993年 東京文化会館でのライヴ
私は演奏の細かい所を聴き分けるほどの耳を持っていないのですが、
聴いている最中は「なんていい曲だ」とか「愉しい」とか思ってしまいます。
モーツァルトは美しい虹色の世界を駆け回っているような感じがしますし、
メンデルスゾーンはメルヘンの世界を彷徨っている感じがします。
それにしてもマークがこんなに素晴らしい指揮者だったとは!
隅々まで決して疎かにしない丁寧な指揮ぶりですが、その中にも強烈な表情付けがあったりして、モーツァルトとメンデルスゾーンの魅力を見事に引き出しているように感じました。
シューリヒトやワルターに負けない個性を持っていると思います。